満足度★★★★
鴟梟-sikyo-
前半は登場人物の背景や人間性がいまひとつ見えず、戸惑った。話の流れも少しすっきりしない。しかし、後半になると、どんどん突き刺さってくる台詞が増え、(特に“大人は子供に害を与えます”この台詞は忘れていた過去と今の自分を鷲掴みにした。)心に痛いそれらが続き、曖昧だった前半の?が蹴散らされていく。話の全面に血生臭い光景が続く。だが、居酒屋ベースボールの舞台独特の空気、どこか乾いたそれは、その血生臭さがべたべたまとわり付くことがない。時々うっとなることはあっても、目を背けたくなっても、そこから立ち去りたい気分にはならない。ただ彼らがどうなっていくのか?それだけを追い続けていたような気がする。