もう一度原作が読みたくなりました
ハッキリ言って、好みが分かれる作品だと思います。第一声にこの言葉から感想を書き始めるのも何ですが…正直な気持ちです。観客にこれでもかと考えさせてくれる舞台ですね。
元々メッセージ性の強い原作ですが、それを現代風にアレンジて「現代」を生きている私たちに更に響き易く訴えかけてきます。
…原作が有名作品なのでネタバレボックスに書かずにここに書きますが、人間として人間の世界をエグいまでに皮肉った河童の世界を見るから心を抉られて生々しさを面白くなく感じてしまうこともあるのであって、河童の視点で「残念!下等生物!」とでも笑いながら観ていると物語の半分以上が口の端仕上げて観ていられる、と思いました。
初見、私の頭では理解が出来ずにただ消化不良のもやもやとした気持ちのまま劇場を後にしましたが、ふと視点を変える…と言うか、観る側の自分の気持ちを変えてみると小気味良い思いすらしてきます。
ストーリー以外ですと、ダンスシーンの見応え感、メインの役者さんの演技力も素晴らしかったです。
ただ、原作とは主張が違う(と、私は受け取った)ため、原作の表現を期待される方にはおすすめしません。
ちなみに原作を知らないでも楽しめると思います。