爽やかで、しんみりする涙
法被を着れば、マッシュール・ヘアーの外国人も「にっぽん人」になっている。
1966年、英国の人気5人組バンド-ザ・ビートルズが、【JAL】ロゴ入り法被をまとい、羽田空港へ上陸した。初来日だった。そのハイライトは計5万人を動員した日本武道館におけるコンサートだろう。
あの熱狂から48年後。解散したビートルズの元リーダーにして、ロンドン五輪開会式にも美声を披露した歌手ポール・マッカートニーさんが、再び「法被」をまとい成田空港のタラップへ降り立った。 しかし、「感染症」で喉を痛めてしまったポール・マッカートニーさんは、チケット販売価格10万円という武道館コンサートを断念せざるをえなかった。
「法被」は1966年を象徴するファッションでもある。金髪ヘアーすらサーカス小屋のように珍しかった時代。ところが彼らの爆発的エネルギーと開放的なパフォーマンスは「岸和田だんじり祭り」の参加者だった。
問題なのは「法被」を着ると「熱病」まで発症してしまう点だ。「お祭り会場」の事故も頻繁に聞く。ポール・マッカートニーさんは今回の「ジャパン・ツアー」をリハーサルより熱心に取り組んでいたそうだが、出演者・ファン共々、「熱病」で健康管理が怠らないようにしたい。
さて、宅間孝行「タクフェス」第二段は『夕-ゆう-』である。前身「東京セレソン・デラックス」の再演ともいえる舞台で、内山理名、上原多香子ら実力派若手女優の他、南海キャンディーズ山崎静代など、バラエティ豊かな顔が揃った。
宅間孝行はアドリブ達人だ。上原多香子が男性俳優の局所に球を当ててしまい、あろうことか客席に背を向ける事態が。そこで宅間孝行はフォローする。「小さい声で“すいません”とか止めて」。
毎回の「お決まり」かもしれないが、 役者が窮地に、追い詰められていく「素の笑い」をショー化する達人だと思った。
また、「タモリ」とか、「矢沢永吉」とか、「愛川欣也・内海みどり」などの芸能人の名がやたらと登場するが、これは「業界的」だ。
そういえば徳井義実の脚本も「阿藤快」ワードを50以上 使っていた。ご本人が観劇したら「なんだかなあ~」だろう。
『夕-ゆう-』は「笑い」と「涙」がマーブルになっており、万人受けしそうだ。