満足度★★★
ウェルメイドな喜劇
貴族と執事と女中のコミカルなやりとりの中に親子愛やラブロマンスも盛り込まれた、万人向けなコメディー作品でした。
その場限りのギャグに見えたエピソードが終盤に伏線として活かされていたり、思い違いが重なって騒ぎが大きくなったりと、しっかり組み立てられた脚本から生み出されるおかしさに安定感がありました。
素っ屯狂な言動や派手なアクションによる笑いも無理に入れ込んだ感じがなく良かったです。
キャラクターの立った登場人物ばかりで、各役者の個性が活かされていました。特にベンガルさんの独特の間合いの演技が楽しかったです。
回り舞台の見えていない側でセットを入れ替えて回る度に異なる部屋が現れ、限られた空間の中で広大な屋敷をイメージさせていたのが良かったです。紙吹雪は視覚的にも物語的にもあまり効果を感じませんでした。
音楽が吹奏楽や木管五重奏といった管楽器中心の選曲で統一されていて、独特の雰囲気を生み出していました。