満足度★★★★
初おぼんろ。客いじりが壁に?
何百年も語り継がれているお伽噺のような、とても普遍的でよく出来た物語を、ピエロのような白塗りの役者たちが、それこそ軽業師のごとき図抜けた身体能力を頼みに、劇場じゅうを駆けずり、跳ね回りながら演じる臨場感満点の公演を大いに楽しみました。
これがおぼんろなのですね。
もしも私に子供がいたら、子連れで観たい劇団。
客いじりも子供は大いに喜ぶことでしょう。
ただ、大人はどうなのか?
正直、客いじりが苦手な客は少なくないと思いますし、私も苦手なほう。今回はいじられずに済みましたが、できることならそっとしといて欲しい口です。
そこで提案。
客いじりがイヤなお客さんには「客いじり不可」と書かれたワッペンをつけてもらい、ワッペン着用のお客さんはいじらないことにしてはどうでしょう?
あるいは客いじりOKの人とNGの人で客席を分けるとか。
作を追うごとに倍々ゲームで動員を増やし、いずれコクーンで公演を打つのがおぼんろの目標だそうですが、客いじりがハードルとなって動員増が思うように進まないという事態は大いに考えられます。
やはり上のような対策を講じたほうが良いのでないでしょうか?
それから、客いじりはもっと明るくカラッとやるべき。そう心がけてはいるのでしょうが、ツッコミの口調がドギツいことがままあって、短気なお客さんならキレてしまうのではないかとヒヤヒヤさせられました。
さらに気になったのが、会場の使い方。
他劇場での公演はどうだったのか分かりませんが、王子モンスターでの今回公演は会場の三分の一ほどがデッドスペースになっていて、どこかガランとした印象が否めませんでした。
密な感じを出すためにも、あのスペースは塞いでしまうなり、何らかの物で埋めてしまうなりしたほうが良いのではないでしょうか?
なお、私の観た回の上演時間は前口上を含めて約150分でした。