「美」に集いし天女が、東方守護を飛躍させた
「DDD青山クロスシアター」を、歌舞伎における「花道」にし、「天女」を この世に咲く実在ものとしてくれた。
「幻想時代劇」と銘打った東方守護-EAST GUARDIAN-『天守物語綺譚』はふわっとした「夢」だ。「宝塚」の華だとか、「天井浅敷」のアングラ、果ては観客総動員型の「レクリエーション」まで、彼女たちならでのマグネットがそこにはある。
もちろん、2時30分を超える上演時間にもかかわらずストーリーの大枠の示し方が杜撰であり、「天守物語」を未だ観劇したことがない者にとってみれば「衣装」を注視してしまいかねない。
この結果が「天女」(椿 鳥丸)である。
歌舞伎メイクではなく、京劇の化粧に近い。
私は何度か東方守護を観ているが、今回の公演ほど「椿」を自称するに値する「美」だったことはない。そして、明らかに その「演技」も進化している。