天国の東側 公演情報 劇団あおきりみかん「天国の東側」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    あおきりみかん「天国の東側」観ました
    【※注 まだ未見の方は、ネタバレBOXを絶対に見ないでください】



     開演前のホワイエは、大学生、高校生だらけ。あおきりみかんの公演は、学生演劇部の集まりの場でもあるのだなあ(遠い目)

     鎖で繋ぎ合わされた11人が、終始舞台上に。
     それぞれが役割を持ったり、もめ事を起こしたり。

     ダンディさが何故か笑いを誘う花村広大さん、かわいいのにおもしろい近藤絵里さんが、安定の切れ味いい存在感。
     今回客演の椎葉星亜君は、あの気配り細かく大胆に迫る芝居が、あおきり勢の中で非常に新鮮。あおきりメンバーとお互いに刺激を与え合えるといいと思います。



     …で、今回かなり不満があるのでネタバレBOXに(あおきりで二回目)。
     他地域公演もあるので、書こうかどうか迷ったのですが、観劇一週間も経って書けないというのもおかしいと思うので。

     かなりのネタバレもあるのでくれぐれも、未見の方や、あおきりの批判が嫌いな方は読まないでください。
    (ちなみに私のあおきりベストは、「湖の白鳥」「よく聞く。」「サーカス家族」です)

    ネタバレBOX

    【※あおきりみかんに、ただ 「笑ってジーンとしたい」 を求めている方は読まないでください】









    ・テーマは、「人と人との繋がり」なのか、「親子の絆」なのか。
     後者のキーパーソンが、終盤になってほとんど予兆なしに正体を明かし中心軸に。(それに触れた台詞や予感はあったけれど、作劇や演出では感じず)
     結果、前半でいろいろかき回した前者のテーマはうやむやに。


    ・「ここまでがユートピア」や映画「S」のような現実世界の社会実験なのか、牢獄のようなイメージの本当の天国なのか、昏睡状態の中で疑似体験している脳内世界なのか、観ていて無意味に迷い、世界観が見えない。
    (物語中でも迷わせている。美術は、どれとでも取れる雰囲気)
     キーパーソンの特質のために、さらに混乱が。


    ・フラットな空間に出てくる固有の地名が唐突で、逆に現実感が感じられない。他地域公演ではそこの地名になるのか?掴みネタとして。
     唯一の地元以外の地名が出てくる台詞、鹿目さんには申し訳ないけれど取ってつけた感が。


    ・後半で盛り上る共同作業や部活が、、前半で小ネタ群のひとつとして出そうなレベル。前半であれだけ苦戦した課題(これもあやふや)をそれでクリアされても納得いかず。


    ・鎖の意義に? もっと、感情や関係性につながった身体表現、あるいは集団プレイで効果的に見せるのかと期待していたのに、取りあえず引っ張って転んでみました感…


    ・本筋から外れた小ネタ(役者の佇まい等)ばかりが、若い観客にウケていた…


    ・群集劇かと思ったら個人の物語。個人劇と思ったら群集劇だった「ここまでがユートピア」と真逆。その結果、広がりそうに見えた世界がしぼんだ…そこでキーパーソンとなる2人にも、キャラクターの強度が感じられない。他の人々は、結局作劇の都合に合わせた脇役。


    ・「作劇の都合」というのも、劇中で起きる出来事に関してかなり重要なキーワード。これはさすがに書けない…



     毎回観てるだけに。今回はかなり残念でした…仙台・東京公演では少しでも解消されてほしいです。

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    2014/07/05 10:34

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