同情タクシー 公演情報 天丼「同情タクシー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    この値段でこの内容はお得(Aチームを拝見)
     舞台は、パイプ椅子に白いカヴァーを掛け、対角線に沿って手前に2脚、奥に3脚を置いただけである。手前の椅子の間に若干のスペースがあるのは、運転席と助手席の間のスペースを表している。これは、無論、ボディーを取り除いたタクシー内部だ。

    ネタバレBOX

     シナリオはちょっと奇抜な所があるが、落とし所が上手く書かれているので、その面白さや機転の妙に感心しているうちに先に進んでいるので違和感は無い。演出も、バランス感覚に優れた展開で持って行く為、自然な感じで観ていられる。四人の出演者も其々上手い。演技力の大切さを教えられるような舞台でもある。音響や照明も無駄を削いだ効果的なもので、シンプルな舞台設備で効果を上げている。今後も楽しみなグループだ。ストレートプレイで勝負している点も気に入った。
     明転すると、後部座席には、座席に上半身を横向きにして寝ている客、池岡と、正面を向いて座った客、東條。手前には、運転手、天ヶ瀬。池岡は、酔っ払っているらしい。東條は、兎に角、真っ直ぐ進むように、と言っている。池岡が目覚める。彼は、この日、ボランティアサークルの全国大会で決勝進出を決め、祝勝会で飲み過ぎたのであった。目覚めて暫くはぼんやりしていたが、そのうちに、目的の自分の家の傍迄来ていることに気付き、行く先への指示を出す。が、東條が真っ直ぐと言い張り、終には脅迫まがいの事までしてくるので、終に断り切れぬまま降りるタイミングを逃してしまった。而も、天ヶ瀬が人身事故を起こしてしまった。被害者、有馬は、助手席に。だが、無論、有馬の手当てはしなければなるまい。その割に、池岡を除く皆は、落ち着いている。池岡は決勝が今日なので7時迄は部屋で眠り、それから準備をして会場へ行く為に、自宅へ戻らねばならないのだ。然し、ここで、衝撃的事実が語られる。実は、この4人は、死んだ者、寄り正確に言えば、天ヶ瀬を除く3人は既に死んだ者の霊なのであった。天ヶ瀬は、天界から送られた天使。彼らが現世に未練を残さないようにと、生前果たせなかった思いを一つだけ叶える為に霊を死後49日の期間中、彼らの望む場所に連れて行く為に働いている天使なのであった。当然、行ける場所は一か所。それは通常、一つの魂しか1台のタクシーに乗せないからである。然し、東條にタクシージャックされてしまったというわけだ。本来、このタクシーの使用権のあるのは、池岡なのだが、彼は寝ていて、凶暴なことで有名な東條がタクシーを乗っ取ったのである。東條は30年前49日間タクシーを乗り回した揚句、目的地に着かぬまま、あの世行きになる所を、担当天使を襲って逃亡。彷徨える霊となっていたのだが、もう直ぐ悪霊にされてしまうことに耐えきれず、霊界タクシージャックをしてあの世へ行こうとしていたのである。そして、有馬は、愛する娘に会いたい。彼自身が交通事故を起こして妻と娘は、救急病院に運ばれているハズなので其処へ行きたいのだ。始め、天ヶ瀬の「一か所だけに行ける」という言葉を其々の思う場所へ行けると解していた三人だったが、実は、一台のタクシーが乗っている霊を運べるのが一か所だという事実を突きつけられ、侃々諤々の論争に発展。どう折り合いをつけるかが、中盤以降、今作の見所となる。この経緯が頗るつきで面白い。役者達の本領が発揮される所でもある。最終局面まで、二転三転のドンデン返しがあって飽きさせない。ラストがどうなるかも含めて想像してみると面白いかも知れぬ。
     

    2

    2014/06/30 19:44

    0

    0

  • 江花 あかり さま
     良いファーストネームですね。こちらこそ、良い作品をみせて頂いて感謝しております。自分は、貧乏人なので現段階の収入では、チケットを購入して拝見するという約束はしかねるのですが、是非、また拝見したいと思うだけの質を持った舞台でした。これからも、油断なくアンテナを張り巡らせ、良い作品を紡ぎ続けられることを期待させて頂くと共に、皆さまのご健康を祈ります。
                                                        ハンダラ 拝

    2014/07/01 04:46

    ハンダラさま この度はご来場ありがとうございました!天丼制作の江花と申します。楽しんでいただけて本当に嬉しく思います。今後とも是非天丼のお芝居を観ていただきたいです!

    2014/06/30 22:09

このページのQRコードです。

拡大