満足度★★★
チャーミングに純愛。
真面目で真っ直ぐで詩的なラブストーリーにぐっとくる。
牛水里美の意外なまでに落ち着いたチャーミングさと、
狩野和馬の計算し尽くされた不器用さが、観客の心を掴んで離さない。
実にチャーミングな純愛物だったと思う。
美術もその世界の構築に一役を買っていて、見事であった。
佐吉祭の中でも随一の出来では無かろうか、と感心。
キャラクタ、台詞といった部分に、落差の大きさを感じ取った。
言うなれば、丁寧に作られた部分と、粗雑に作られた部分だ。
作り込まれた部分は嘆息するくらいだが、そうでない部分は落第点だ。
真っ直ぐな作品づくりだけに、力の入れ加減まで見えてしまっている。
そこまでをチャーミングというのは、流石に難しいと思う。