満足度★
チグハグな印象
テネシー・ウィリアムズの短編戯曲2本を身体表現や生演奏を多く用いた演出で描いたパフォーマンス的作品でしたが、様々な点でチグハグな感じがあり、作品の世界に入り込めませんでした。
トランペットの独奏に続いて口琴の合奏にがあった後に戯曲に則った物語が始まり、『風変わりなロマンス』の間に『バーサより、よろしく』を挿入した構成となっていました。
ダンス(ポールダンスも)、人形劇、人形振りの演技、歌、映像と多様な手法を用いていたものの、各要素が噛み合わないままに展開し、それらの手法を通してこの戯曲から何を描きたいのかが伝わってこず、またそれぞれの手法単体で芸として楽しめるレベルに達しているものもあまり無い様に思いました。
大きな公演にも携わる実力のあるスタッフが集まっているのに、映像がセットの凹凸のある部分に映し出されて見辛かったり、映像が出演者の陰になったり、エフェクトを掛けている楽器用のマイクが役者の声を拾ったりと、仕事が雑に感じられて残念でした。
役者の演技は意図的なのかもしれませんが、平板な人と大袈裟な人がいて、まとまりが無く感じました。