「文口体」にみる表現活用法と「敗者の宿罪」
『カラシニコフ』(高橋一生・酒井若菜)
民族紛争が勃発する国際情勢は、地雷の除去を「職業」とするNPO・ボランティア・スタッフを海外へ派遣した。
「バズン」
少年兵の撃ったライフル銃が命中。
「女性死亡」ニュースが流れ一年が経つ。意気消沈するボランティア・スタッフの旦那。「雑誌記者」を自称し、何の前触れもなく「事件」について迷惑メールとともに送信してきた女。
ここから「恋」が始まる とは…。
坂元の根底には、「国際平和とかアピールしてるけどさ、エネルギッシュの真裏に湧く男女の欲望は隠蔽できないわけよ」という斜めの視点がある。
酒井は『カラシニコフ』に宿罪する「敗者」にも それを導き出し、エロティックに朗読していた。
彼女には知られざるエピソードがある。
「マイク、でかい」
大作ホラー映画の舞台挨拶。進行を止めた張本人が酒井だった。
映画用の宣伝物がマイク周囲に付けられおり、巨大な故、「壺にはまった」(水川あさみ)らしく、大爆笑してしまう。10分間の笑い声。
それは独自の「感受性」だった。