ツレがウヨになりまして 公演情報 笑の内閣「ツレがウヨになりまして」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    傷つけないために足りないもの
    全体をとおして作、演出の高間響のスマートさがよくわかる脚本だった。前説もおもしろかったし、アフタートークの進行もきっちりしていた。韓流ネタのみでよく引っ張るな、という執念をも感じた。物語の骨格や俳優たちの佇まいには、国内ツアーを回って出来た強さもある。

    ただ、この作品自体は「教育的」であって「啓蒙的」ではない。「ネトウヨ」の生態をお勉強する感じで、そこから発展はしない。箱の中のものを観ている感じ。笑いが一番大切、というように高間さんは応募書類に書かれているが、笑いに変える時にも、それが「軽蔑」を含むものである時には慎重にならなければならない。本作では、ネット右翼の極端な思想が、誰かを傷つけている可能性への配慮が汲み取れない。

    笑の内閣、というユニットの名前どおり、世相を笑い飛ばすのがこの団体の強みで、風営法や青少年保護法をテーマにしてきたこれまででは通用したことかもしれないが、韓国人、朝鮮人という明確な「人」としての攻撃対象がある嫌韓流の台詞は、この作風で扱うにはきつすぎるモチーフのように思った。在日コリアンの人がこれを観て同じように笑えるか、と考えてしまった時に、私の答えはノーである。そして、その繊細さに対して「あなた方を傷つけるために作った作品ではないのです。」という余地を示すことも出来ていないのが残念であった。

    ネタバレBOX

    あおい役の鈴木ちひろがかわいいし、歌がへたすぎないのがチャーミング。デートDVDを発売するだけある。彼女たちが歌う歌の選曲もよかった(イミテーション・ゴールド、愛が生まれた日、さくらんぼ等等)。盛り上がる。若い同年代の俳優が、あおいの父親という無理な設定も突っ切る腕力と切れ味がある。蒼甫役の清水航平の目のイっちゃってる感じといい、金村役の由良真介の誠実さといい、萌えた。

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    2014/06/09 01:11

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