七人みさき 公演情報 シアターキューブリック「七人みさき」の観てきた!クチコミとコメント

  • 土佐ブランドに固執するな
    坂本龍馬は「日本人が尊敬する偉人ベスト一位」を争う候補者だ。
    プロレスの赤コーナーが彼だとすれば、青コーナーは織田信長である。

    両者に共通する「志」は自由経済。


    龍馬は1865年に薩摩藩のバックアップを受け日本初の株式会社となる亀山社中を結成した。一方の織田信長も、その領内に「楽市楽座令」を発動し、商人を優遇する経済システムを構築した。租税、支配層たる「座」の専売権を排除する、まさしく経済解放区である。



    我が国では「消費税価格転嫁等対策法」が成立してしまったが、スーパーマーケットが「消費税 3% 還元セール」を表示する ことすら、処罰の対象らしい。この「統制経済」は経済活動の自由、表現の自由、消費者益を無視した政策である。

    「中小企業の社長を守る!」へ霞ヶ関官僚が一丸となるのはよい。その組織的問題は 経済産業省外局の中小企業庁がリーダー・ジップを発揮しない点だろう。
    消費者庁が増税時の価格転嫁対策をめぐり、大阪府内の中小企業相談窓口を臨時に設置したことが広報されていた。(他の地域もに違いない)
    二つの疑問がある。
    なぜ中小企業庁が一括対応しないのか。そもそも、中小企業も「消費者」に分類することが可能なのか。
    この国の「縦割り行政」を浮き彫りにした消費税価格転嫁等対策法である。


    現行の経済政策は「統制経済」であって、「自由経済」ではない。やっと「解雇ルールの緩和」が進展するのかと思えば、労組・厚労省の既得権スクラムに敗北し、「骨抜き」になった。



    今の日本は それこそ歴史上の「自由経済派」からすると「反乱」を起こすに相当する世であろう。坂本龍馬や織田信長が ここ数年、ヒューチャーされる所以だ。


    「シアターキューブリック」は高知県観光団体との協力により劇場ロビーに高知物産展を併設。『龍馬の休日』なる幟が数十箇所に立ち、同県の観光をアピールしていた。
    しかし、本作『七人みさき』は坂本龍馬ではなく、「本能寺の変」織田信長死後の安土桃山時代、ほぼ四国地方統一を果たした長宗我部 藩主 元親を史実、脚色両面から描いた歴史ファンタジーである。


    20代女性客の感想を紹介しよう。


    女性A「理解できなかった」

    女性B「前半の“九州征伐”(1586年)は史実として知っていたから何となく付いていけたけど。後半は さっぱり解らなかった」

    女性B「そうだね」



    これが 的を得た感想である。

    ネタバレBOX

    豊臣秀吉・大君に騙された 元親が、「九州征伐」の戦にて戦力を壊滅させられ、精神に傷を負ったことは全体図において示す。

    しかしながら、戦国時代劇まで
    「幻」に覆われ、その幻影は「ファンタジー」か「元親の狂気」か混濁であったのだ。


    城下藩民の役者はナチュラル。コミカルに悪人化した豊臣秀吉より、遥かに共鳴できる演技だ。

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    2014/05/29 01:08

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