満足度★★★★★
女の子ver.→男の子ver.を観ました
女の子バージョンを先に観た上にたまたまたくと役のお客さんの真横の席に座ったのもあってか、本当にお芝居の世界と一体になったような感覚で、女の子バージョンに思いきり思い入れてしまいました。
たくとへの思いと、女性として自分自身としての現実とに直面していく心情が細やかでリアルで、後半泣きそうになりながら見ていました。もしも、を後悔にしないためには自分で選ぶこと、選んだことの責任を自分できちんと引き受けることが必要なんじゃないかなと思うのですが、少女だったさおりが自分という主体をもってそこに向き合うことになったんだな、というのがとても意味のあることだなと感じます。なので、女の子バージョンをみ終えた時には、やっぱりさおりには最後の選択を"自分で"選んで欲しかった!ともすごく思いました。もちろん演出としては面白くて素敵だったんですけれど。
私の観た回のごろうルートはさおりがきっと自分の人生と自分のしたいことを選んでいくんだなということを感じさせてくれましたし、ごろうは相手のことを見ている人柄が伝わってきて個人的にはそういう方が好きなので、よかったです。絵が送られてくるせつない余韻も素敵でした。
男の子バージョンは女の子バージョンのいろんなことの裏付けがなされていくような感覚で、たくとと過ごしてきた時間はさおりがさおりなりに選んでつかみとってきた道だったんだな、ということが腑に落ちる感じで。女の子バージョンとまた雰囲気が違ってたくと役の橋本さんの演技が熱くて、わくわくしながら楽しんで見られました!前半終了時点ではごろういいじゃん、と思っていましたがたくとへの理解も深まって、ますますたくとエンドも気になって終わるという、まんまと「もしも」体験の真っ只中に入り込んだ1日でした。
役者さんたち一人一人が印象的に生きているかんじで、とくに女の子バージョンの上司役の女性(青海さん、ですね)がちょっとした声の演技ひとつでもすごく印象に残って素敵でした。居酒屋の店員さんと、こうたくんも大好きです!
なんだか、すごく永妻さんっぽいのにザ・モラパンさんという感じで、どうやってできあがってきたのかわからないくらい境目なくうまく混ざりあっているというか、これはすごいコラボレーションだったんじゃないかと感動です。
普段はあまりもしもということを思わないのですが、この機会に過去の出会いと、その出会いが今回のお芝居へも導いてくれたんだなあと、思いをめぐらせてみました。