ブーケから最も近く、最も遠い従業員
結婚披露宴は人生のいちばん華やかなステージだろう。
たかだか「一般人」にフラッシュが焚かれ、専属の司会者がつく事態など、この日以外は想像できない。
私が出席させて頂いた ある結婚披露宴だと、ハプニング連発で礼服すらびしょ濡れになった式があった。火災予防目的に設置されたスプリンクラーが誤作動し、大理石の床が 3センチ程度、浸水してしまったのである。
私は「最前列」を逃れたが、真下の参加者はゲリラ豪雨に遭遇したようだった。
きっと帰宅する夜空に映ったのは虹のアーチだろう。それがハート型ならコーディネーターが贈呈したお詫びである。
さて、結婚披露宴の舞台は、晴れの日を祝す式場と その感動をモチーフにするエンターテイメントだと決まっている。
ところが、本舞台は むしろ都会の雑踏のごとく、日常生活を観察していた印象であった。エンターテイメントが「一日、一時間」に特化した現象だとすれば、間違いなく、人の人生数十年を丸飲みにした舞台だった。
パンフレットを読む。これは観客による自由であるが、「役紹介」を掲載する場合、観客サイドによる捉え方、心情を束縛してしまう可能性も考えたい。
本舞台について、私は その「役紹介」を放棄したうえ観劇したわけだが、戯曲的ともいえるしっかりした会話が、「家族」「仕事」「他人」の関係性を浮き彫りにし、それを推理する楽しみがあったと思う。
終演時から30分近く経過した頃、ようやくパンフレット「役紹介」を読むカップルもいた。この人たちは放棄派だろう。そういえば、『少女マンガ』の目をしていた。
2014/04/22 14:58
演劇は非日常であるべきだと思いながらも、日常から切り離されたものでなく、今を生きているお客様に共感していただける作品を、とやっております。
こういう人いるよな〜とか
気持ちわかる〜とか
そんな等身大の劇団になりたいので、これからも勉強して、ひとりでも多くのお客様に楽しんでいただける作品つくりを目指して頑張ります。
今後ともよろしくお願いいたします。