満足度★★★★
濃密な会話劇
2人のデリヘルによる待機室での会話劇。会場は渋谷区円山町にあるバーでの上演。あまりに雰囲気がありすぎて…これも演出だろうか。
まず、芝居は濃密だ。交わされるセリフには専門的な用語も飛び出し、きちんと取材したことを感じさせる。ストーリーは、デリヘルになった動機から始まり、懐疑、妬みなど、人間の厭らしい面が次から次に描かれる。現実なら辟易するところだが、そこは芝居の世界…それもリアルにありそうなシチュエーションで見入った。脚本・演出・演(艶)技ともよかった。
ただ、暗転の時間が長く感じられ、観る集中力を保つのが大変だった。また、舞台設営は、テーブルとそれを挟んで座る椅子が2脚あるのみ。基本的に、客席は2人を真横から見るため、その位置によっては表情が観にくいと思う。待機室という設定であれば、姿見を置くなど小道具にも配慮してほしいところ。