期待度♪♪♪♪♪
その頭上に、『!』な きのこを。
「こちらは浜松のマッシュルームで ございます」
ウエイターの女性は、牛とマッシュルームのミディアム•ステーキを指し、簡素なメニュー紹介を終えた。ミュージック•レストラン。注文したのは私ではなく、隣席に腰を降ろした親子である。
【毒きのこ】は 貴婦人だろう。
赤、黄、紫などのカラフルな装飾品を所持し、採取者という男たちを魅惑する。そのきらめきに惑わされ、大金遣いの【マダム】を伴侶としてしまった 男は一生、【毒きのこ】が肉体から抜けない末期状態である。
だが、それでも、【マツタケ】が 街路樹に生い茂っていたとすれば、人々は 炙ったり、焼いたり、炊き込み御飯にする今晩のため、採取への準備を取り掛かる。
きのこ にはロマンがある。
ギャラリーで、【毒】とも【松】ともえない演劇を。
観客の期待が、適度な湿気となり、その感動はカミナリになる。
「これは『なかないで!毒きのこちゃん』のマッシュルームです」
終演後、観客の頭にニョキっと たっているのは、『!』だろうか。