MOON 公演情報 廃墟文藝部「MOON」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    廃墟文藝部「MOON」観ました
     ミソゲキ・プレ公演など、名古屋で注目上昇中の劇団が、ついに本公演。(私も初めて。主宰のコンタさんとは、飲み会などでお会いしてるけど)


     
     涙ぐんだり吐き気がしたり、本当にいい舞台だった。


     事実と異なるデフォルメはあるが(当日パンフでもお断りが)、人の顔の見分けがつかない(俺だ俺)「相貌認知症」を軸に、キャラやエピソードなど効果的にピースがはまる精神劇。

     家族、愛、幸福。 という表面。
     その裏で蠢くアイデンティティ、存在理由、他者からの認知。

     危うく繋がった状態から、いずれは壊れる運命の世界。


     噛み合わせの狂った嫌悪感あふれる世界を、ディープでないお客さんにも丁寧に見せる、時系列操作や外部の正気の軸などの親切設計。
    (京都など、TPOによってははしょれるかも)

     
     最初から題材が分かっているためもあって、役者の表情(顔や身体)の繊細さに注目が行く。
     主演女優のかわいらしい笑顔や、彼女を囲む人々のほがらかな様子。
     そこを時折掠める陰、観ているうちにだんだんと…


     人間はみんな嘘つき、ペルソナ、多重。
     終盤に繰り広げられる、美しく悲しい無惨絵。

     これが初の本公演とは…とりわけ指摘したい欠点が見つからないという脅威。。。
     いちおう五つ星・初めて観る人にもオススメとしますが、その際は吐かないように気をつけましょう。
    (終演後コンタさんに「吐きそうになった」と言ったら、「吐かせるところまでいかなかったのは失敗でしたねえ」と ガクブル)



     なお、この翌日に大阪で観た、水素74%「荒野の家」も、心の傷が育んだ自己愛など、狂いを抱えて崩壊へ向かう家族を描いていました。(こちらは、精神劇というよりは具象劇か)
     これに較べたら、ハイバイ「て」なんて、全然救いがあるぜ。(「ヒッキー」は当初ダークENDだったらしいけど 汗)

     家族を疑うのは、演劇の宿命なのでしょうか…(人のことは言えない(´Д`))




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    2014/03/12 11:56

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