異能怪談的公演「赤異本」 公演情報 劇団た組「異能怪談的公演「赤異本」」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪♪

    赤異色に魅せられる
    赤異本の恐ろしさは読んだ人間なら口にするまでもない。それは『音』すら持たぬ、ただの薄い紙にインクで貼りつけられた『文字』ですらおぞましいものに変えた代物だった。自室に持ち込むことも躊躇われ、穢れを撒くようにして人の流れのある場所でしかしのめりこむように読んだ。赤異本とは、そういう本だ。魅力的で、香しく、禍々しい。それが舞台化という『形』を得るという。想像しただけで空気の重量が増す。これは個人的な意見だが、赤という色は一見我々に拒絶を示す色に思う。信号なら、「これ以上は進むな」、ブレーキランプなら「これ以上は近づくな」、血なら「これ以上は危険」。だが、その『これ以上は』という境界を越えたモノに対して赤色は実に寛容であり、不気味なほど優しく甘美な色気を醸す。まるで手招くように足の指からねっとりとからめ捕り、酩酊させる。しかしその先に人間が認識している『幸せ』はない。赤とはそういう色だ。魅力的で、香しく、禍々しい。そんな色をした作品を息づかいとともに味わえる機会が目の前にぶら下がっている。勿論、『これ以上は』という境界も伴なって。振り子のように揺れている。ぎい、ぎい、ぎい、ぎいと。見たい。怖い。見たい。怖いと。こうして踏み込む一歩をふらつかせている時点で、すでにその人間は赤色にからめ捕られている。赤異本の舞台はこの逡巡からすでに始まっているのだと気づき、振り返る。あかい視線がわたしをみているきがする。

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    2014/02/26 04:37

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