満足度★★★★
映画に忠実な作り
本作は小説と映画は随分前に見たが、舞台で観たのは北区つかこうへい劇団によるものが最初で今から数年前になろうか。昨年もその後継団体である北区AKTSTAGEが、本公演にて上演したが、映画とはかなりストーリーも変わっていた。つかこうへい自身が書いた戯曲は、いまでもトレンドシェアの本に載っているが、実際には緊急特別バージョンとして上演されており、その戯曲が上演されたことはないと記憶している。
従って、本作の正当な元戯曲は存在しないと言って良い。
さて、今回の公演は、映画や小説に比較的忠実に作られており、数年前に観た高野愛が演じたものと並んで、個人的には満足いくものとなった。ただ、今日子と英二の愛し合う部分の描写が不十分で、理解しにくかった。映画では北大路欣也が演じた役であり、北大路であったからこそ背負える役だったのかも知れない。(北大路と比べること自体が申し訳ないことなのだが)
最後の、皆敬虔なクリスチャンでありました、という台詞、やはりつかこうへいらしい台詞でした。ユリの役を演じた女優さん、とても良い演技をされていました。