耕太、宙に浮きながら 公演情報 EPOCH MAN〈エポックマン〉「耕太、宙に浮きながら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    観てきました。
    初日。
    渡辺×菊妻Ver

    静かに伏線が張られ、最後に細い糸が全く違った物語の布に織り上げられた芝居。
    それが、第一印象。
    小沢道成さんの細部にこだわったホンが良かった。
    そして、今回のWキャストの意味が
    8日に観た小沢×西川Verで明らかになった。
    可能であれば両方の回を観劇をお勧めです。

    ネタバレBOX

    エレベーターに閉じ込められた二人の男
    「アライ」と記憶をなくしたいう男「タナカ」
    この二人が徐々に会話を始める事から物語がすすむ。
    途中、「タナカ」の学生時代の記憶がフィードバックする
    そこには「オオカワ」という女子。
    彼女との会話が「飛び降りた友人」の話
    そこの部分が私は印象に残る。
    普通は結果として飛び降りた人を他者は「自殺」と決めつける
    「飛び降りた」と決めつける。
    でも、「オオカワ」の友人「タカギ」は飛び降りたのではなく「飛んだ」
    「飛びたかった」と彼女は言う。
    何故だろう。そこに物凄く共感と言うかなるほどと
    感じた。
    記憶を亡くした男は「アライ」の34年前にエレベーター事故で亡くなった父親だった。
    彼の死後、母は子を育て、亡くなった父親と聞いていた
    ビートルズが常に家の中で流れていた
    父の死は1980年12月9日ジョンレノンが射殺された同日だった。

    幽霊、というか、魂がその時だけ物体化したした「タナカ」は
    自分の息子に閉じ込められたエレベーターで再会。
    ただ、そこでの台詞には親子の情に訴えかける甘い台詞はない。

    普通なら泣かせるのならそこにそういったものがあると
    分かり易いはず。
    でも、そこにはなかった。
    ただ、だからこそ私は涙があふれてきたのかもしれないと思った。

    芝居の中の登場する人物に
    自分が気持ちを投影できる場合、今の私は
    親の立場となった自分のココロが近い気がする。

    小沢くんの母親「トキコ」のシーン。
    そこでの、小沢君の表情、聞こえないような悲しい溜息、そこに観ながら自分を重ねてしまった。
    ここは、個人的に菊妻君より小沢君の表現の方が素敵だったと思う。

    芝居だから
    ドラマチックな方が画になるのかもしれない。
    でも、劇中の毎日、毎日繰り返される生活の風景
    その中での
    三者三様のココロの置き所。
    そこには、もしかすると自分も一緒に回って、巡って、いるような
    感じになった芝居だった。

    観て、ココロが浄化されるというか
    気持ちがすっきりするような観劇後の気持ちになった。


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    2014/02/09 14:46

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