夢も希望もなく。 公演情報 月刊「根本宗子」「夢も希望もなく。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    観て気まずくなった
    若いカップル、少なくないのではないだろうか(笑)。
    でも、若い人が観てこそ意味のある一作だと思いました。

    ネタバレBOX

     というのも、ヒロインのちひろのように、生きる上での大きな選択を若さ故に誤ることは二十代ではいくらでも起こりうることなので、反面教師にしてもらうためにも。
     ちひろは若さ故に人を見る目が育っておらず、アーティスト気取りの単なる俗物野郎に惚れて男を才人だと思い込み、好きな演劇をやめてまで男に尽くすも、男が才能も甲斐性もないただのヒモだとやがて気づき、果ては男の浮気が発端で十年に及んだ恋は破局を迎える―。
     これで終われば、若さ故の迷妄により貴重な二十代を棒に振った愚かな女の物語に過ぎないが、本作がいいのは、話がそこでは終わらずにコミカルなシーンで締めくくられている点。
     ちひろと同じくアーティスト気取りでヒモ体質の彼氏に逃げられたばかりか男の子供まで身ごもった友人の杏奈が産気づいてちひろ宅に現れ、ワーワー喚きながら出産する喜劇的なシーンは“ちひろ以上に不幸な女”を笑い者にすることでちひろの不幸を矮小化し、それを杏奈の不幸と変わらぬ“お笑い草”へと変えてしまう。
    “笑い飛ばせないものはこの世にない”と思わせてくれるこのシーンがバルブは大好き!
     ちひろの元彼のようなダメ男と現在進行形で付き合っている若い女性も、ああいう男と別れたばかりのアラサー女性も、このラストシーンを観ていくらか心が軽くなったのではないだろうか?
     十年前の杏奈とまりかが前半で歌う劇中歌も良かった。

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    2014/01/18 08:16

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