【公演終了】ステロタイプテスト/パス 公演情報 The end of company ジエン社「【公演終了】ステロタイプテスト/パス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    言葉と記憶
    3つの状況がはっきりとした境界が無いままに同時進行し、台詞が複雑に絡み合う中で、言葉による記述と記憶の関係を巡る考察が展開する刺激的な作品でした。

    アルコール中毒患者のリハビリ施設、断食によって超能力を獲得する教室、(原発事故をイメージさせる)ある災害または事故に関して仕事をする作業員の休憩所の3つのシチュエーションが同じ場所で同時に展開し、しかもその3つの話が完全にパラレルという訳ではなく、他のエピソードが曖昧に浸食して、全体像を把握するのが困難な構造でした。足元が土足、スリッパ、裸足の3つにグループ分けされているものの、各エピソードに一対一の対応をしている訳ではなく、惑わされました。
    メインとなる役の男性(チェックのシャツ)と女性(白のシャツ)はそれぞれ2人の役者によって演じられ、更にその男女のどちらの役も演じる役者が1人いて(チェックのシャツの上に白のシャツを着用)、複雑さに輪をかけていました。
    しかしその混迷が悪印象とはならず、むしろ何とか話に追い付こうとして引き込まれました。また自己の存在の不確かさを表しているようにも感じられ、印象的でした。

    台詞がシンクロしたりループしたりと凝った構成ながらシュールな笑いや詩的な美しい台詞もあり、理屈でガチガチになっていないのが良かったです。携帯電話オフのお願いを劇中に上手く混ぜていたのがユーモラスでした。

    既存のステージをかさ上げして設けた床が軋んだり、セットの椅子やベンチが中途半端にぼろかったりと、脚本・演出・演技のクオリティーに対して舞台美術の作りが甘かったのが残念でした。

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    2014/01/15 08:16

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