人魚の夜 公演情報 青☆組「人魚の夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人魚が見えてこない
    昔々の未来の話ではありました。

    ネタバレBOX

    温暖化の影響で、東は乾燥してカラカラ天気、西は雨がちな気候となった未来の国において、西に住む一人の男の、粗野な漁師の父親に育てられ、コーラス指導の女先生に憧れていた少年時代と、先生になり、退職した後の、家族や教え子との関係を描いた初老時代が交錯したストーリー。

    温暖化の影響で、台風がとてつもなく大型で強烈で、甚大な被害を及ぼすという前提があるだけで、その非日常を前提とすると、あとはそれに基づいた容易に想像がつく極めて想定内のストーリーで面白みに欠け、不思議さとか、幻想的な雰囲気などは全く感じられませんでした。

    次女は台風の日に波にさらわれ行方不明となり、死亡認定されました。また、父親を尊敬し先生になった長男は、台風の到来を前に女生徒を家に送って行く道すがらのことで変な噂が立ち、父親から断絶され、東に移って先生をしています。

    長男は、雨で立ち往生して、一晩中抱いていてあげたんだろうと思います。

    題名や案内文から人魚らしき存在を予想していましたが、全く人魚は見えてきませんでした。強いて言えば、魚の女が嫁に来たという伝説の件で、魚の腹のところに二本足の生えたような姿は想像してみましたが。

    失踪宣告ではなく、死亡認定されている長女、それでも死を受け入れ難い長女の夫の気持ちは分かります。だとしても、役場の人間だったらせっかく死亡関連の届けを出しに来た夫に対して、不備なところをさっさと訂正させないのかと、心情は心情、事務は事務と思ってしまいました。

    それでも、リフレインのようなシーンの中に、役場に印鑑を忘れて来たというシーンを入れて、四十九日の法要の後に夫が正式に届けを出したということを示す辺りはさすがだなと思いました。

    この土地で脈々と続く家族の話でありながら、長女夫婦に子供がいないなど、この先続いていかないような寂寥感を感じました。

    さり気なくお茶を注ぎ足す行為に日本の家族の風景を見ました。

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    2014/01/11 10:07

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