性病はなによりの証拠 公演情報 ブラジル「性病はなによりの証拠」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    前代未聞の●●コメディ!
    笑った! 
    笑った!

    ●●の演技にたじろぎもした。

    ネタバレBOX

    前代未聞の、嘔吐コメディ!

    吐いて吐いて吐き散らして、笑って笑った。

    ブラジリィー・アン・山田さんは、うまい。
    職人的なうまさがある。

    さまざまな劇場のサイズ、また、劇団員がいる劇団ではなく、1人の演劇ユニットであったとしても、いつもの役者さんたちだけを使うのではなく、テーマなどによって、それらを使い分けていくうまさがあるのだ。

    今回は、王子小劇場。
    密室劇なコメディ。

    オーバーアクトではなく、じっくりと進めながらパニックをコメディに変えていく。

    タイトルにもあるように「性病」がキーワードとなり、救命ボートで遭難しているという状況にさらにこじれた人間関係がプラスされていく。

    なかなかのブラック感と毒が散りばめられており、笑いに厚みが増していくのだ。

    観客は遭難している人たちでギュウギュウな救命ボートを囲むようにして観劇する。
    この座席設定が愉快だ。
    ポツンと太平洋に浮かぶ救命ボートを見ているようだ。

    そして、盛大なる嘔吐。
    口に含んだ水がきれいな弧を描き飛び散る。
    役者が叫ぶときの唾だって飛んでいる。
    正直、たじろいだ。

    タイトルにもたじろいだのだが(笑)。

    小さいサイズの劇場だから味わえる楽しさがある。
    大劇場の舞台の上で同じ作品をやったとしても、伝わるものは半減するように思う。
    だから、うまい、と思うのだ。

    ただ、救命ボートなので、立ち上がったときにはボートが揺れるとか、ふらつく、というような見せ方がほしかった。
    さらに、ラストの大事な表情(ウインク)が、全方位に向けて行うのは難しいのだが、なんとかそれを伝えることをしたほうがいいのではないかと思った。

    役者さんは、全部好きだった。
    どの役者さんもキャラクターがくっきりしていたし、救命ボートの中でギュウギュウなので、押す部分と引く部分の差がきちんとして好ましいと思った。

    小さなサイズにマッチした作品、ということを書いてきたが、ブラジルの作品は映像作品としてのイメージがすぐ浮かぶ。
    先の記述とは矛盾するかもしれないが、この作品も映像化しても面白いと思うし、前作の『行方不明』にしても、前の『さよなら また逢う日まで』にしても、映像にしても面白いのではないかと思う。

    ……途中までいろいろと引っ張ってきた主任さんが突然いなくなるので、てっきり何かも伏線かと思っていたのだが、そうではなかった。
    ちょっともったいないな、と思った。

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    2014/01/03 18:24

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