かなかぬち 公演情報 椿組「かなかぬち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    テント芝居の醍醐味を堪能
    新宿・花園神社境内に妖しく光るテント芝居の提灯。
    灯に惹かれる蛾のごとくテントに吸い込まれた。

    ネタバレBOX

    「土」の舞台。
    まさに、土の上に立つ。
    土着性と泥臭さ、プリミティブな力に溢れる舞台だった。

    中上健次さんの原作が、リアルに土の匂いと、人間臭さをプンプンさせ、新宿の喧噪の中に現れた。
    観劇の日は雨が降っていたこともプラスされた。

    雨はテント芝居では、観客にも役者にも厳しいもののはずなのだが、さらに面白さが増したように感じた。
    雨音で少々台詞が聞こえにくいところもあったが、それがテント芝居の良さでもある。
    舞台の半分は露天なので、役者に直接雨が当たっていたと思うのだが、そんなことは一切感じさせない役者たちがいい。

    また、新宿なのでパトカーや救急車のサイレンが響くのだが、それも気にならない。
    花園神社は、南北朝時代の山の中にあった。

    石田えりさんの、肝が据わった女性が見事。

    「血」「生」「死」「血縁」「家族」そんなキーワードが泥臭く演じられる。
    真っ白い獅子のような獣が幻想的に現れるシーンは、新宿の喧噪も一瞬で消えたようになった。
    美しい一瞬だ。

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    2014/01/02 18:47

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