満足度★★★★★
四半世紀が過ぎた実感
この企画も今年で25年、青山円形劇場の閉鎖に伴い、今回が最後と言うので、久し振りに出かけた。
私は第一回から数回観ている。
90年代初頭に小劇場劇団の活動を紹介する仕事をしていた時期に、遊⦿機械/全自動シアターの芝居を観て、私の現代演劇アレルギーが払しょくされたともいえる。
ご贔屓劇団の劇団員から偶然「遊⦿機械/全自動シアターが好きだった」と聞くと、そういう好みをいまも引きずっているのかもしれない。
白井晃・高泉淳子のコンビが私は大好きだった。
高泉との方向性の違いからか、白井晃、陰山泰も年一回は出演していたア・ラ・カルトからは外れてしまって久しい。
白井晃はもう売れっ子演出家・俳優で、昔のように女装しておバカなコントなんかやれないのかもしれないが、私は小さな劇場で公演して終演後も出口でペコペコお辞儀していた二人の無名時代を懐かしく思い出しながら今回も観ていた。
二人が別々の活動をしていても、この作品だけはライフワーク的に二人一緒に25年が迎えられたら、もっとよかったのにと思わずにはいられない。
「ア・ラ・カルトはマンネリ」という声も含め、ネットでの高泉への批判を私も読んでいたが、才能ある人だけに、白井晃と組まなくなってから、普通の演劇活動からは遠のいてしまったのは残念。
出てくるキャラクターや構成は変わらないのに、初期の頃の若い観客ばかりで会場が揺れるような爆笑は消え、みなおとなしく観ているのが歳月を感じさせた。
中西俊博のヴァイオリンだけはずっと高泉に寄り添ってきたのが忘れられない。