満足度★★
テント公演の収穫は…?
夢の島を舞台にした作品をいざ夢の島で上演する!というのは当人たちにとっては本当にうれしいことだと思う。第五福竜丸が本当にそこにあるとは知らなかったし、「ゴミの島」「死の灰」とくれば作家の想像力を掻き立てるものがあるだろうと思う。ただ、初演ならまだしも再演なのだとしたら、もう少し“場”について検証してほしかった。今、夢の島は綺麗に埋め立てられていることを皆知っていながら、観劇に行く道すがらでは何となく「ゴミ処理場」のようなカラスが飛び交う「ゴミ溜め」を想像している。だから、せめてテントの周辺だけでもその“期待”に応えてゴミやガラクタに埋もれるような感覚を与えてほしかった。再演で勝ち取った夢の島での上演、という高揚感は、その紆余曲折を知らないただの観客には伝わらなかったのかもしれない。