満足度★★★★★
SOM企画「サ××ド・オブ・ミュージック」観ました
あいちトリエンナーレ2013祝祭ウィーク参加の地元・名古屋公演は、自団体の稽古で見逃し(初通し稽古は見学)、一ヵ月後の大阪公演へ足を伸ばしました。
大阪では、愛知の200席程度から50席ほどの客席へ。
廃工場を改装したクセの強い劇場。
しかし実際に来ると、劇場と作品の強烈な個性が思いの外マッチしているのが一目で分かる。
世界中が知っている実際の事件をモチーフにした世界観は、ちょっとご都合な面もあるけれど、日常では見せない人間性をむき出しにする。
愛や利益を求めながら互いに傷つけ合う人々の、精神のせめぎ合いが増幅・凝縮された世界。
そこに飛び込むKYで(笑)無垢な花と、そんな嫌な世界を避けて籠もった城から強引に(笑)引き上げられた魂。
やっと、信じることができたのに…
通し稽古ではオレンヂスタ色の強かったラストが、大幅に変更。
主人公の、より困難な戦いへの強い意思に、焦点が合った。
afterimage振付・参加のムーブメントが、雑多に蠢く気配を舞台上へ、観にくく醜く制御。
二人芝居に寄り添うダンサーは、美しくまたユーモラス。
役者陣では、特に主演の男女二人の熱演に注目。
ダンサーであるafterimage主宰が、不思議な存在感。(ダンスを始める10年前には演劇をやっていたそうな)
もちろん、ハンパな役者は一人もいない。
大阪まで足を運んだかいがある、パワフルな公演でした。
たぶん、土地柄とも相性がよかった。日替わりゲストで参加した関西演劇人の皆さまにも感謝。
まだまだ成長途上ですが、愛知の若手クリエイターの結集、愛知から大阪へのつながりというイベント性も加味して、あえて五つ星をつけさせていただきます。
なお、この作品は来年一月に愛知で凱旋公演があります。
祝祭ウィークは一日しかなかったので、見逃した方には大チャンス!
日替わりゲストで、京都の杉原邦生さんも出演の予定!(笑)