ギャラクティカ・めんどくさい。 公演情報 劇団鋼鉄村松「ギャラクティカ・めんどくさい。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    これは銀河レベルで面白かったと言っていいだろう
    「銀河レベル」というのはどれぐらいのレベルなのかは、書いた自分でもわからないが。
    そして、銀河にまた1つ新しい歴史が刻まれた……。

    とてもくだらないのだけど、とても面白い。
    いくつかの「テーマ」となるべき「軸」が、安普請で壮大な銀河の物語を編み上げていく。

    劇団鋼鉄村松ファンは必見。
    ファンじゃなくても、暇があったら必見。
    スペオペ好きも必見。
    犬好きも必見。
    ビキニ好きも必見。

    あ、そうそう、結構笑ったよ。

    ネタバレBOX

    劇団鋼鉄村松は、いつも詰め込みすぎだ。
    とにかく台詞が多くて過剰で、情報過多である。
    その中に笑いを潜ませているのだから、タチが悪い。
    うっかりすると笑いのポイントを見逃してしまいそうになる。

    観劇中は、頭を高回転させるのが必至である。

    しかし、今回は頭をフル回転させることなく、わかりやすい。
    単に「慣れた」のかもしれないのだが、わかりやすい。

    いくつかのエピソードが上手い具合に絡み合う。
    エピソードの1つひとつが独立して、それぞれが主人公となっても面白そうだ。

    例えば、昔の諺で「最後に宇宙の果てで銃を向け合っている2人が笑う」「おっぱい」なんていうのさえも、作品の中心に据えて全体を構成してもおかしくはない。
    例えば、カルヴァン大尉の気持ちの変化や、嫉妬の深層心理を軸にしても1本の作品として十分に成り立つだろう。

    そうしたいつくかのエピソードを惜しげもなく盛り込み、それらで中心テーマを立体的にカタチ作っていく。
    普通によくあるのは、「ここぞ」というポイントに主人公が、「いかにも」な台詞で観客を「なるほど」と思わせ、「作品のテーマ」を見せるという方法。しかし、そんなありきたりな手法を逆手に取るように、「いかにも」な台詞をさらに「過剰」にして、数だって増やし、「テーマ」の周囲を埋めていくのだ。
    新しい皇帝になる、のりおの演説の台詞はもちろん、ヘラの女王の長台詞もそうだ。それ以外にもしつこいほど、「面白い」と「めんどくさい」について登場人物たちに語らせていく。

    すでに「面白い」と「めんどくさい」の「二元論」には収まらないことを、誰もか「わかった」上で、さらに突き進むのだ。

    二元論的対立を銀河規模で描いているのだが、これは背中合わせであり、裏と表である、ということがラストに向かって述べられていき、結局、両方がほどよくある世界に落ち着くという、当たり前すぎるエンディングとなる。
    途中から、いや最初から見えていた、二元論では人間を語ることができない、ということになるのだ。

    このわかり切ったことを、銀河規模で描いてみせ、ちょっとした感動さえも与えかねないのだ。「光に背を向けて自分の影を暗闇として生きてきた」的な、数々の大げさな台詞に対してだ。
    それが素敵だ。

    チープな銀河大戦と、安普請で壮大な銀河の物語。台詞だけは銀河規模。明らかに銀河英雄なんちゃらの影響もあろう。
    だけど、「ああ」って思ったりするところがあったりもする。
    それは、過剰な台詞の中に一瞬だけ光ったりする。
    その光は「私だけ」にしか見えないものだ。
    その「光」は人によって違うと思う。それが見つけられたら幸いだ。

    複雑怪奇な世界に生きているからこそ、こんな単純な「面白い」と「めんどくさい」の二元論から始まる世界に、「真理」的な何かが見えるかもしれないのだ。

    恥ずかしいことだけど、そんないくつかの台詞に対して、劇団鋼鉄村松ごときの舞台(笑)にもかかわらず、ちょっと感動してしまった自分があったりする。実に不本意ではあるのだが(笑)。

    あと、結構笑った。

    ユウコを演じた小山まりあさんは、声も通るしハツラツさがいい。あと、び、ビキニも……。主人公的な位置づけののりおを演じた村松中華丼さんも後半からがいい。
    しかし、何よりもこの2人の若手を、カルヴァン役のムラマツベスさん、ベルカ役のボス村松さんや第二大臣役の村松かずおさんたちなど、そのほかの役者さんたちがきちんと支えていたことが、作品の厚みを増していたのではないだろうか。
    そして、村松ママンスキーはずるい。

    ……犬のベルカって『ベルカ、吠えないのか?』からのネーミングかな。

    『ギャラクティカ・めんどくさい。』はバブルムラマツさんの作・演出である。
    観劇後、この劇団のもう1人の作・演出家であるボスさんに「とても面白かったです。バブルさんと少し差が付いたのではないですか」とうっかり言ってしまった。
    ボスさんは、微笑みながらも、少し寂しそうな目をしていた。
    「あれっ、そういうこと意外と気にしているんだな」と思ったけど、どうやら次回作はボスさんの番らしい。「その言葉をバネにしてちょうだいな」と言って、次回作に期待しよう。

    3

    2013/11/04 05:01

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  • 村松中華丼さん、とても楽しかったです。並み居る濃い〜先輩たちの中で、いいポジションだったと思います。先輩たちもうまく引き立ててくれたのでしょう。

    バブルムラマツさん、なるほど、宇宙犬でしたか。よく考えればそうでしたね。小山さん、ビキニ俳優として(笑)、また鋼鉄で拝見したいです。
    次回も楽しみにしています。ボスさんがどんな逆襲に出るのか楽しみです。

    2013/11/17 21:16

    ベルカは旧ソ連の宇宙開発実験に使われた犬の名前?種類?だったと思います。
    小山さんはかわいくておっぱいが大きくて何より役者としての意識の高さを尊敬してしまう素晴らしい女優さんです。今後ともご贔屓に!
    もちろん鋼鉄村松の年期を重ねた役者陣もよろしくお願いします!
    お楽しみいただけたみたいで嬉しいです!また是非いらしてください!

    2013/11/05 21:13

    銀河レベルとは。。。恐れ多い。
    お楽しみいただけたようで安心しました。
    ビキニは文化の最高傑作です。

    2013/11/05 20:40

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