満足度★★★★★
どういう作品と捉えるかで見方がだいぶ違うような・・
ルデコなんかの「チャリT」とかを念頭に置くと、
不完全燃焼感が漂うかもしれない。
劇場内にいて、観客の空気からそんな熱量を感じた。
・・ただ、自分としては、この舞台の色んな緩やかなアイロニーは分かったうえで、
一番雰囲気の似ている作家として、
昨年のTPAMで一部の暇人を沸かせた気がしないでもない
「セルジュの特殊効果」のフィリップ・ケーヌを思い出したりしてみた。
「こんなユルい皮肉じゃこの俺のアツいテンションは納まらない、帰る!」
という人間が現れるのもありえそうだとも思った。
ただ、日本人は、ヨーロッパの観客以上に異常に我慢強いため、
せいぜい寝るくらいかもしれない。
そんな中、観ていて、どうもこれは今までのチャリTと違うかもしれない・・
このゆるふわ感。
これなら、そこら辺でバッグにキノコやリラックマを付けている
政治に関心のない女子高生にも、
楽しんで観れるかもしれない。
あんまりアツい体温で全開では、
一部の熱狂的な人以外の大多数には受け入れられない。
そういう意味では、ノンポリの若い世代にも、
押し付けがましくなく、軽く観れるようで、
意外と想像力を広げれば
「ああも観れる、こうも観れる」というこの作品はイケるかもしれないという気がした。