満足度★★★★
YKOカンパニー「Wonderful Days」観ました
七ツ寺共同スタジオが、あいちトリエンナーレ2013並行企画事業として、パフォーミングアーツの裏テーマであるサミュエル・ベケットの戯曲を扱う「COOL GAIA」シリーズの第一弾。
舞台美術として、現代美術作家・渡辺英司の、図鑑を切り抜いたインスタレーション作品「名称の庭」が常設展示されている舞台を使用。
(これに続く、「ゴドーを待ちながら」(演出・寂光根隅的父)、「Krapp‘s Last Tape(演出・田辺剛)も、同じ条件)
「しあわせな日々」をもとに、個々のダンサーの身体が内包する動きを尊重するダンスカンパニーが構成したダンス公演。
(リーディング企画「古典戯曲を読む会@名古屋」でゴドーを扱った際に、主宰の鈴村さんと出演の杉町さんが参加されて、四苦八苦していました(笑)。
今までの、符牒を共有した上で動きを個々の判断に大きく任せ全体のうねりを作るという、カオスな作風とはとまるで印象の違う、かっちりした構成。
もちろん即興性は持っているのだけれど、全体の流れも追いやすく、ダンス公演を見慣れてない人でも観やすい舞台に。
まず戯曲・美術ありき、の制限がいい効果を生んだか(「真夜中の弥次さん喜多さん」の天野天街さんにも言えるような…王者舘では自由奔放過ぎる。。。)。
非常に個人的な観方として、私は五人のダンサーに、多重に人格を抱えたウィニー&ウィリーの二人を、さらに別視点から見つめているベケットの立ち姿を想像しました。
(かなり特殊な観方ではありますが。言われた鈴村さんもびっくりしてたw)。
ラストで生まれる生命の木、そして青空。
全体と個、戯曲と美術がうまくかみ合った、すてきな総合芸術。
12月には、京都でも「COOL GAIA」三作品公演がありますので、ぜひご覧頂きたいです!
さて、私はこの翌日に、あいちトリエンナーレ2013パフォーミングアーツで、ARICA+金氏徹平「しあわせな日々」@愛知県芸術劇場小ホールを観るのですが…
(そちらの「観てきた!」に続く)