満足度★★★
クラシック音楽でお笑い
チェリストとピアニストのデュオが確かな技術を用いて馬鹿馬鹿しいパフォーマンスを繰り広げ、小さな子供から大人まで気軽に楽しめる作品でした。
下手にピアノ(但し通常とは異なり、奏者の左側が客席に向く方向)、上手にチェロという配置で、普通のクラシックコンサートの様にお辞儀をして始まるものの、チェロのエンドピンが床に刺さらず演奏の途中で楽器が滑って行ったり、スポットライトが消えたりとハプニングが連発し、2人が片手でピアノもう一方でチェロを同時に弾く曲芸を行ったり、楽器でない物を演奏したり、楽器を人や動物に見立てたり、歌詞に因んだネタを盛り込んだりと、様々なタイプの笑いが入っていました。
終盤では、腕の震えが止まらない、車椅子に座って点滴を打たれているピアニストがチェリストにピアノの前で左右に動かされることによって、ブギウギスタイルの演奏になり、そのまま死んでしまうという展開もあり、ブラックなテイストが新鮮でした。
ドタバタな展開の中にも所々で演奏をじっくり聴かせるバランスが良かったです。
カーテンコールがあって終わりかと思いきやまだ続く展開が数回あるのは、なかなか終わらないクラシックのコンサートを風刺しているのだとは思いますが、盛り上がりのピークを過ぎた所で終演になってしまっていて、勿体なく思いました。