賞味期限の切れた毒薬 公演情報 マグネシウムリボン「賞味期限の切れた毒薬」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    表現に纏わる仕事
     避暑地に集った文人墨客の通信紙として新聞の体裁で発行されていた媒体を基に発展的解消を遂げた結果として定着したタウン誌、スートラは、その長い歴史の中に、複雑な人間関係をも孕み込んでいた。1年10か月前に休刊となったが、休刊迄、前編集長、セイさんが膵臓癌で辞めた後を継いでかおるが編集長を務めた。然し、彼女は最終号の編集作業中、理由も告げずに失踪。編集部員との間に齟齬が生じていた。

    ネタバレBOX

     舞台は、セイさんが亡くなった葬儀の後、かおるの声掛けで編集部員全員が集まった編集拠点のカフェ・スートラで展開する。かおるは、自分が、失踪した原因を皆に明かす。それが、メインストリームになるのだが、編集者出身の自分にとって面白かったのは編集会議のぶつかり合い。あとは、良くある男女関係のいざこざと子供が抱えるに至った複雑な関係で、申し訳ないが自分には、既に処理済みの問題故、余り興味が持てなかった。
     編集者出身の自分として基本的に個人的にどんな事情があろうが、編集者は、個人の事情を理由に編集をすっぽかすべきではないと思っている。いくらタウン誌でもである。本来、表現者は永遠と戦い、編集者は表現者と伴走する以上、他の業界の規則などに縛られていてまともな仕事などできるわけはないのだ。その辺りの事情を感じていればこそのタイトルかも知れないが。
     家族? 関係ない! これが、我々がバリバリ働いていた時、男の実感であった。
     

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    2013/10/20 04:36

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