芝居ではないからこその良さ。
暗がりの朗読会。確かにその通り。
エンターテイメント性にあふれ、五感を刺激してくれるおぼんろの芝居を見に行くという感覚で劇場に足を運ぶと期待を裏切られるかもしれない。
しかし、末原拓馬がつむぐ世界はやはり美しいという事は健在である。ランタンの明かりだけで紡がれていく物語。耳で聞き、物語を創造していくには見ている側、いや聞いている側にも極度の集中力が必要になる。
その物語の中に自分を落とせる事のできる人は、存分にこの世界観を楽しめると思う。
ただ、それを客に強要することはできない。
やはり、否応がなしに物語の中に引きづりこむ、言葉の力があれば、もっと変わるかもしれない。
これからに期待をする。