イーハトーボの劇列車 公演情報 こまつ座「イーハトーボの劇列車」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    キウ ヴィ エスタス?
    1980年初演の作品。

    ある一部分に結構思い切って突っ込んだ意欲作だと思いました。

    ネタバレBOX

    イーハトーボとはあまり聞き慣れないと思っていましたが、名詞の語尾に「o」が付く言語、宮沢賢治が日本の農民と世界の農民が語り合うための言葉として推奨したエスペラント語的発音でした。

    前半は浄土真宗と日蓮宗の奥深い教義の話とまでは至っていませんでしたが、ある程度の教義を巡る論争、後半は日蓮の性格をどう捉えるかで起こった宮沢賢治のでくのぼう的考え方と満州進出を企てる石原莞爾らの声高派の対立の話で、宗教を題材に取り上げた少ししつこいマニアックで意欲的な作品でした。

    あまり宗教に拘ると面白くなくなるかもしれないので、世の中は稀なことと良くあることで満ちていると捉えたり、田舎を捨てて独立しようとした人間が見世物の興行主に拾われてしか生きる術がないとか、ちょっと危ない兄妹の関係、未練を残して死んだ人々の思いなどの話も混じえましたという感じでした。

    キウ ヴィ エスタス?、エスペラント語であなたは何者ですかの答は、私は子供ですでした。

    親よりも優位に立とうと宗旨変えを勧めたり、金融や商社的労働ではなく額に汗する労働の大切さを主張したりしたものの、農民にもなれず、結局は親掛かりで終わった賢治のでくのぼう振りを描いた話でした。

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    2013/10/12 10:56

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