満足度★★
後は作品かな´д` ;
この劇団は、昔、拝見したことがあります。その時の作品は好きだったので、今回また参りました。
自分も劇団を運営しているので分かるのですが、今回のスタッフさんは本当に素晴らしかった。事前には劇団からご丁寧なお手紙もいただきましたし、(自分は日曜日に行きましたが、)当日の受付・整列・入場まで非常に整っていて、礼儀正しく、品がありました。また帰りしなに知り合いを待っていたら、すぐにスタッフの方が声をかけてくださる等、気遣いが行き届いた素晴らしい運営だったと思います。これは一人一人の心がけが本当に良いのだと思いました。
でも劇場に入ってから、テンションが下がってしまいました。芝居の内容は本当にごめんなさい。破綻してたかなーと思います。
現代と中世の話が入り組んで行くのですが、この2つのパートが連関していない。過去のエピソードは現代においては、主人公の父の研究内容として持ち込まれるわけなのですが、中世世界におけるマリアのベートーベンへの献身と、現代における家族の問題(愛情欠乏?)にどう繋がるのか全く分かりませんでした。
現代世界は、もう既に何人かの方が書かれている通りです。
過去世界は演出の方向性がよく分かりませんでした。実在の人物の話なので、基本は脚本家・演出家の解釈の問題になるんだと思いますが、そもそもコメディタッチなのか、シリアスなストーリー芝居なのか。下の方が書いていますが、コメディというシステムを採用していたとするならば、普通のストーリー芝居をしているマリアだけ浮いています。
ただ、ベートーベン役の古賀司照(読み方わかりません)の演技は素晴らしかった。声が枯れていたのが少し気になりましたが、それを補って余りある立体的な演技をされていたように思います。
愛、美しい歌、美しいピアノ、美しい言葉を連ねて見ても、作品の土台となる世界が全く見えてきません。何も無いんです。
これでは役者の方は演じ辛かっただろうな、と思います。また復活を支えたスタッフの方も、この作品を本当に面白いと思っているのかな、と思ってしまいました。
かつての作品と(無伴奏という作品でした)今回の質の差が余りに激しいため、戸惑っています。