もしも僕がイラク人だったら 公演情報 カムヰヤッセン「もしも僕がイラク人だったら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    時々再演される作品
    想像してみようが体験できました。

    ネタバレBOX

    主宰北川大輔さんの大学の先輩である大根健一さんが2004年に発表した作品。北川さんが大学二年のときに再演を観て自分もやってみたいと思ったとのことでした。

    イラクへの空襲で被災した市民が大勢いる中で家族を亡くした一人の男性の名前が分かったことから、彼の家庭環境、日々の生活、空襲の日のこと、そして現在を、日本人の男が想像してみる話。

    母親と彼と歳の離れた弟との三人暮らし。父親は既に戦死しているが、功績を讃えられ家族は高級アパートに住んでいる。彼にはインターネットのチャットで知り合ったイギリスの女性と日本人の男性がいる、等々。

    弟がマスターベーションばかりしてるという想像は、作者の経験によるものでしょうか、ちょっとしつこく、近くでミサイルが着弾しているのにそんなことやってる場合か、いくらなんでも止めるだろうと思いました。そして、下半身裸でもたもたしていたことが生死を分けたなんて可哀想。

    イギリス人の女性が彼から彼の母親のイラク料理のレシピを教えてもらい、今ではイギリスで料理店を開いているなんて、ちょっとしたしたたかさも感じられる豊かな想像力です。

    情報には価値があり、情報収集力で差がつくということでした。

    フセイン像が倒された後、退院した彼がチャットで身に付けた英語力を活かして欧米系の会社に就職し、コンパックのパソコンを使って彼女を探し当て、彼女から逆にレシピを教えてもらって母親の味を味わおうと考える、素敵なドラマに仕上がりました。

    以前にもちょっとした史実から一つの戦時中のお芝居を作り上げる作家さんに感心したことがありましたが、これもそんな感じでした。しかも、想像している自分が主人公なので大掛かりなセットが必要なわけではなく、時々再演されるのも良く分かります。

    何かを展示することで東京芸術劇場のアトリエスペースが使えることは劇団おぼんろで経験済みでしたが、これからも増えるといいですね。

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    2013/10/06 09:45

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