イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】 公演情報 劇団東京イボンヌ「イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    チケット完売おめでとうございました。
    1000枚のチケットを完売させることは容易なことではないです。それを初日前に実現させたわけですから、いかに期待した人が多いか、ということがうかがえます。素晴らしいことだと思いました。
    また、当日の舞台運営も人手が多く、気持ちよかったです。
    こうした裏方の気持ちがこの劇団を支えているのだと感じました。

    ネタバレBOX

    舞台内容について記述します。

    舞台内容に関しては、かなり厳しいものでした。
    多くの役者に「役割のある役」が与えられておらず、
    感情移入する部分を見つけるのが大変でした。
    何名かの方が書かれているように、
    脚本上で「現代パート」が破たんしていました。
    ですので、どんなに役者が頑張っても、
    物語の世界にはいりこめないわけです。
    作家に都合のよい状況説明ばかりでエピソードが展開されておらず、
    起承転結もはっきりしないために、
    ドラマ不在となり、感情移入ができませんでした。
    ベートーベンの方はというと、
    確かに現代の部分よりはドラマっぽくありました。
    ですが、ベートーベンは既存のキャラクターであり、
    周知のストーリーを展開してるだけなので
    オリジナリティを感じることはできませんでした。
    良家の子女であったマリアがあえて「家政婦」となってベートーベンの恋人となっていた、というのはもしかしたら作家のオリジナルかとも思いましたが……
    いかんせん、カツラをかぶった日本人が「ベートーベン」だと言い張っても、結局は着ぐるみと大差ないように思いました。さらにドイツ人が「バカ」を連発するのは、コントですよね。面白ければそれもありですが、マリアは大まじめに演技しているようだったし、どう受け止めていいのかよくわからず、戸惑うばかりでした。ただし、ベートーベン役の古賀氏の力量は素晴らしいと思いました。カツラ姿が途中で気にならなくなりました。
    声楽家の歌は素晴らしいのですが、どういう立ち位置だったのかよくわかりませんでした。愛の告白シーンでいきなり舞台上に連れてこられても……どういう意図の演出なのか、戸惑ってしまいました。
    結局脚本がうわべの「きれいごと」をただ羅列してるだけなので、
    人の心に響いてくるようなセリフがなかったのだと分析します。

    私は作家なので脚本重視でドラマや芝居を観ます。
    なので脚本の出来が作品の出来を大きく左右します。
    脚本はドラマの設計図であり、それが狂っていたらまずいと思います。
    ただ、これはあくまで私の感性です。
    ようは何を楽しんで作品を見るのか、ということの違いでしょう。

    ★は制作と役者さんたちにそれぞれひとつづつです。

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    2013/10/06 02:22

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