満足度★★★★
革新者たち
ブレヒトとロルカは共に1898年の生まれ。ブレヒトはその表現活動をカフェやキャバレーでし始めた。詩を作り、ギターに載せて歌うことで、謂わばトゥルーベールとして出発したわけだ。後、戯曲を書くようになってからも、宗教歌、童謡、民謡をパロディ化するなどの方法で異化、彼の演劇理論を実践していた。
一方のロルカは、ピアノを弾じ、アンダルシアの古謡をアレンジ。其処に自作の詩を載せることもあった。古謡に用いられる言葉遊びやナンセンスは、ロルカのモダンな感性と時に反発、時にもつれ合い、絡み合って微妙なイマージュを構築した。
両名共に、故きを温ね、新しきを知った先覚者であったが、時代を切り開いた作品群には、現代音楽に通じる要素も確かに感じられる。
これらのことを踏まえて、コントラバスの河崎 純、其々異なる3台のギターを用いて小沢 あき、2名が演奏。更に背景のスクリーンに都市と自然(ガイア)、人工と泥、海、空などを対比させる映像を構築した三行 英登3人のコラボレーション。音で時間を、映像で空間を埋めた表現行為であった。