満足度★★★★★
恐ろしくリアルな美術と、その使い方に驚嘆。
不思議な味わいの物語。サスペンスとホラーの味付けもあり、始終ドキドさせられる。でも一番のミステリーは脚本家の滝氏の生死感だ。いや、氏の生死感は 「Hottel call at」 で知っているんだけれど、今回はそれがもっと鮮明になった感じ。でもたくさんの謎も怖さも、一つの「生きる」という人間の根源的な問題に収斂されていく。お見事です。どんな小説も舞台もこのテーマが入っていないものは無いけれど、これほど真正面から取り上げたものも珍しい。優れた俳優陣がいてこそ取り扱えるテーマだと思います。今回は特に恐怖の表情、苦渋の決断後の台詞、死者たちの一晩の変化など、演技の凄まじさを堪能しました。名作の名に恥じない作品ですね!