シーンごとの完成度の差が目立つ
おおざっぱに言えば、冒頭部は完成度が低く、中間部で大きく盛り上がり、ラストは尻すぼみになった、という印象。
登場人物はそれぞれ悩みや苦しみを感じているのだが、観客は「登場人物が悩んでいる姿(あるいは、何かを悟ったような姿)」を観たいのではなく、「悩みを乗り越えようとしている姿」を観たいのだと思う。この部分の描写が不十分であったため、登場人物の魅力が伝わってこなかったのが残念。
出演者に関しては全体的に演技力は高いと思う。
特に良かったのがランラン役の広山さん。少し「型にはまった演技」であるのは否定出来ないが、それを差し引いても十分に優秀な女優さんだと思う。これから先、「既存の型」を打ち破って「自分の型」を手に入れられれば、「上手い女優」から「魅力的な女優」へと変身出来るのではないでしょうか。