『狸のムコ入り』【黄金のコメディフェスティバル2013準グランプリ受賞作品!!!】 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「『狸のムコ入り』【黄金のコメディフェスティバル2013準グランプリ受賞作品!!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    憎めない一作
    「黄金のコメディフェスティバル」千秋楽ぶっ通しスペシャルにて観劇。江古田のガールズ「大勝利!」、電動夏子安置システム「EZ」、犬と串「クイニーアマン~言いたいだけ~」に続いて4番目に上演された本作を観て痛感したのは、こうしたコンペでは上演順が評価を大きく左右するなぁ、ということ。話が込み入ってたり、やたら騒々しかったり、くつろいだ気分で観られる作品がそれまでに1本もなかったところへほのぼのテイストのこの作品がきて、少々疲れていたバルブはホッとした心持ちで本作を鑑賞。単独で評価するなら3つ星半くらいが妥当だと思われる本作に4つ星をつけたのは、事程左様に上演順によるところが大きい。
     そうは言っても、好感の持てる作品だったのは間違いのないところ。なんだか可愛いお話でした。

    ネタバレBOX

     ある一家の長女が彼氏との結婚を父親に認めてもらおうと悪戦苦闘するホームコメディ。
     内向的で社交性に乏しい彼氏は長女が父親に引き合わせた際、粗相を繰り返し、結婚話は暗礁に乗り上げかけるが、ここで長女は大学時代の演劇部仲間である男友達2人を巻き込んで或る悪だくみを敢行。
     彼氏を再び父親に引き合わせる際、別の求婚者に成り済ましてもらった2人にも立ち会ってもらって彼氏以上のダメ男を演じさせ、彼氏の評価を相対的に引き上げて結婚を認めさせようとするのだ。
     …というストーリーはありがちながら、堂々と力強くダメっぷりをアピールするニセ求婚者2人がかえって父親に気に入られたりするくだりなどは観客の素直な笑いを誘い出し、思わずバルブもニンマリ。
     こういうドタバタ色の強いシーンがあるかと思えば、父親が今は亡き妻と会話する思わずホロリな幻想的シーンもあり、さらには中盤からちょっとしたどんでん返しがあったりと緩急のバランスもよく、なかなかの好編でした。
     本作をそんな好編たらしめていたのはなんといっても配役の妙。
     本フェスティバルの出演者のうち5人しかもらえない優秀俳優賞をみごと手にした凪沢渋次の頑固者ながら実は気のいいお父さん役もキャラに合っていて良かったし、主役の長女を日高ゆいに演じさせたのも適切な判断。彼女の清楚で飾り気のないキャラクターはどこか牧歌的な本作にドンピシャ調和し、作品の完成度を引き上げていた。
     彼女を看板女優とするこの劇団には、こういうほのぼの風味の作品が似つかわしい。

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    2013/08/28 21:54

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