満足度★★★★
初!松竹座
長い歴史のある劇場だそうで外観に重みのある松竹座。
なかなか機会がなくて、今回、初めて入館。
席数が1000席ちょっとしかないんですよ、
いわゆる商業演劇の小屋としてはふた回りくらい小さいです。
今回、3階席の一番後ろから見ましたが、
とても良く見える。演舞上で見るより、ずっと見やすい。
コンパクトな劇場がゆえに、舞台サイズも、
演舞場、博多座、中日に比べると大分狭そう。
猿之助じゃない主演のスーパー歌舞伎、初めてでした。
スーパー歌舞伎自体が、オグリか何か以来なんだけど、
いやいや、今回が一番ゴージャスでダイナミックと感じた。
これは進化?
なにより出演者が60人以上いるので、宝塚同様、賑やか!
人数が多いというだけで、派手は生まれるし迫力が増す。
ゆえに内容にメリハリがつく。
中国雑技団のようなアンサンブル?(黒子?)が、
くるくるくるくる回ってアクロバットを加えた立ち回りが
何度もあります。
これが体育会系っぽくってすがすがしい。
役者陣ですが、若くないけど若手だけの構成(夜の部観劇)。
改めて猿之助って、立っているだけで
オーラのある人だったんだなぁと思いかえしたりもしましたが、
いなくても結構大丈夫でした。
「スーパー歌舞伎」という一つのジャンルで
上演されれば、これ実力が伴えば、誰でもいいんじゃないかな。
ミュージカルでいう「キャッツ」や「ライオンキング」と一緒。
決まった型を上手に演じれば、それほど役者の個性に
偏らずに楽しめる貴重な作品と言えましょう。
何作かスーパー歌舞伎は見ましたが、
全部、構成は一緒ですな、新鮮味はない。
でも、わかっていても宙乗りシーンは感動します。
あれは不思議。
いまや宙乗りなんか珍しくないし、それこそ「ルドルフ」で
浦井マジシャンも宙乗りしてますし、
「SHOCK」で光一スシ王子は、命綱なしに宙吊りで、
しかもクルクル回ってます。
でもね、スーパー歌舞伎の宙乗りは違うんですよ。
本家というか、迫力が違う。
このシーンを見るために、このシーンで感動を共有する為に、
長い時間、作品に付き合わなきゃいけない、と
言っても過言じゃないでしょう。
大阪で見なきゃいけない作品ではないけど、
いろんなジャンルがゴチャ交ぜになった、
スーパー歌舞伎、いろいろ詰め合わさって
「お値打ち」な作品、そんな作風は大阪っぽいかな。