満足度★★★★★
<祝・俳優賞>力のある演劇。
学生らしからぬ、幅広い世代の観客から情操を引き出す力に長けた劇団霞座が、持ちうる限りを発揮した珠玉の舞台でした。ストーリー性は敢えて排除し、最初から最後までがクライマックス。まるでオーケストラが奏でるように、脚本・演出・演技それぞれが観る側の心を引きつけてやみませんでした。霞座の持ち味であるノスタルジーが、こちらの心を否が応にも純粋だった頃に引き戻し、舞台の上の彼らに憧憬を抱かせ、キラキラと輝く時間へと昇華させてくれる・・・そんな魅力は今作も健在。ピアノの生演奏が実に効果的で、終盤にははっきりと理由を書くことのできない涙を流させられてしまいました。全編に渡って幻想的で美しい光景で魅せてくれましたが、特に印象的だったのは「生きよう」とするときの一橋純平くんの目の輝きを増す光景。舞台の上の役者さん・関わっているスタッフさん達の、舞台に掛ける情熱をも髣髴とさせるようで、二重三重もの感動に震えました。
<追記>
一橋くん、学生芸術祭優秀俳優賞受賞おめでとうございます♪あと、制作さんもスタッフ賞受賞!グランプリを逃したのは無念ですが、本当に良い公演でした!ありがとうございました**