オレンジの迷信行動 公演情報 ナイスコンプレックス「オレンジの迷信行動」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    意欲的な姿勢に敬意
    至近な事件を扱い、しかも「練りに練った」構成にしていることの、劇団の意欲に頭が下がります。この事件は、あまりにもマスコミ、「世論」(この言葉も曖昧ですが)に振り回され続けていただけに、それをどのように展開させるかと興味を持って魅せていただきました。
    両天秤にかけたものにしてしまったのかなと、やや不満足な点はあるものの、逆に言えば、バランスのとれた劇となったのではないでしょうか。
    その展開の仕方も、ノンストップの切り替えで、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。
    俳優さんの演技も、先に指摘されていた「気になる噛み方」の方の存在もわからないほど。きっとここを読んで必死に練習したのではないでしょうか。
    私には、むしろ「絶叫」の方に、ちょっとばかり「うんざり」してました。そんなに声を嗄らすまで叫ばなくてもいいのに・・・
    あとは、内容の感想です。

    ネタバレBOX

    光市の事件は、安田弁護士の選任、橋下氏の「やめさせろ」発言と、その後のバッシング現象、実名本の出版、一気に死刑制度存続に対しての感情的な世論の形成など、私たちを冷静にさせることなく、むしろ翻弄されつづけてきた事件だと記憶しています。
    私は「人間の判断は間違えるものだ」「冤罪は常につきまとうものだ」という理由から、死刑制度は廃止すべきだと考えています。もちろん被害者家族の感情も無視できませんし、死刑がなくなることで犯罪がはたして増えることはないのか、などということも心許ないものなのですが。
    あ、劇に戻ります。箇条書きに印象を。
    ①前半の「法学入門」。賛否両論あるでしょうが、これはこれで私には序章としてよかったと思いました。「罪と罰」、この二つを混同している風潮がありますよね。それに対する警鐘という意味でも価値はあったと思いました。
    ②老婆の誕生日を「5/3」にしたので、てっきり憲法の権化と思っていましたが、劇団の方に聞いたところ「死刑制度」とのことでした。聞き間違いだったのかもしれませんが、観ている客には、もっとすっきりとした演出でもよかったのでは。
    ③最後の台詞が「死には死を」のような内容だったと思います。これは別の台詞にしないと、せっかくバランス感覚で展開していた劇が、一気に「死刑は当然」に傾いてしまいます。ここはもっと含蓄のある言葉にしてはどうかなと思いました。

    とはいえ、観劇のあとで、光の事件、死刑制度について、あらためて学び直そうという意欲が湧いてきました。
    私にとってこんな気持ちにさせることは、観劇後になかなかないものです。
    ありがとうございました。リピーターになりますので、次回も期待しています。

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    2013/08/13 11:45

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  • ご来場ありがとうございました。
    そして、ご挨拶が遅くなりました事、お詫び致します。

    さて、老人(LAW)は「法」で正解ですね。
    今回の作品でいうと”死刑”判決がキーポイントでもあった為、
    生か死か・・・というところの立ち位置で、擬人化されていました。
    ルール(法・死刑)なんて無くなればいいのにって誰もが願い無くなったら・・・
    しかし、今でもこの国に、それは存在する。
    沢山のコメントに感謝です。
    次回作も、どうぞお楽しみに!!

    ナイスコンプレックス 劇団員

    2013/09/03 00:56

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