満足度★★★★
意義ある公開審査
1994年に九州で提案され、1995年から毎年東京で行われるようになった“劇作家協会新人戯曲賞”の経緯、特色である最終選考の公開審査のメリット、デメリットなどを第三部に持ってきた今回の試みは、その基本スタンスの倫理的潔癖さが、流石に表現する者のそれである。劇作家自身による選定のメリット、デメリットなども個性的な面々が其々、本音で語り合い、進行役の手際の良い質問も手伝って面白く而も興味深い内容のものになった。この日のリーディング作品は2本、各回、入れ替え制だったので、自分は、2012年度、第18回劇作家協会新人戯曲賞受賞作「見上げる魚と目が合うか?」のリーディングだけを拝見してからトークイベントを拝見・拝聴したが、受賞作の“べしゃり”の面白さ、話者同士の対話にある、其々のずれの作る違和感や距離に興味を覚えた。
一方、このような作品を見出す為の劇作家協会員の地道な努力にも敬意を表したい。