冒した者 公演情報 世田谷シルク「冒した者」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    競技故の賭け
    三好十郎って面白い。

    ネタバレBOX

    戦後の混乱期の余韻が残る郊外の大きな建物の中に何組かの家族が住んでいて、横溝正史の世界のような雰囲気が漂っていました。誰が広島の資産を将来遺産相続する人なのか混乱して、全体の関係性は最後まで良く分かりませんでした。

    食材とか量とか気にしながら丁寧に料理を作っていながら、バサッとコップやお椀や皿や箸を落とす演出には度肝を抜かれました。あまりにも斬新でした。高い所からただ単に落としているだけのようにも見えましたが、みんながテーブルの高さを意識し、共有して行動しても良かったかなと思いました。

    殺人を犯した者が連れ回そうとするくらいですから、原爆で目の見えなくなったモモコは美少女なのだと思います。女性役を男性が演じる手法は時々見掛けますが、美少女役を中年の男優が演じるのはインパクトがあって、審査員受けして競技用としては良いのかもしれません。

    ただ、もし他の劇団が同じようにモモコ役を男性が演じてきたら、一気に埋没してしまいます。一つの賭けですね。

    実際に目の当たりにした感想としては、中年のおっさんの腰の辺りの脊椎がプクンと飛び出したような背中は見たくもなく、やはりへっこんだような背骨のラインで、プクンとするなら尻尾の痕跡くらいのもの、そんなギリギリラインまでの女性の背中を見たいと思いました。

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    2013/07/17 12:55

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