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行け!花岡星児
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StageClimbers「
行け!花岡星児
」の観てきた!クチコミとコメント
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monzansi(716)
一人ひとりが、斜めの目撃者に なる
スコアボードの質感が、アルミの冷たさを与えていた。
バレてないネタバレへ!
ネタバレBOX
「終わらない10分間」、それは どのような状況を指すのだろうか。
12回裏に何度も振り出して、野球場の外に向かってもなお、同じベンチに座っている。
この点から考えると、物理的な「終わらない10分間」だろう。
一方、球場の観客どころか、世界各国の報道官が声明を発表する事態は、ひとの内面に おいては 今までと同様に進行していることを明らかにした。
まず、野球のベンチ裏を設定した、そのシチュエーションは革新的であっといえる。
動かない分、狭い関係の会話劇が成立した。
「終わらない10分間」であるため、より “動かない中の動き”を観客は捉えようとする。
初めは花岡(息子)、次は監督(父親)、チームメイト、そして審判へと移るのかもしれない。
次々に、観客は ターゲットを重層的な視点から“動かない中の動き”を捉えようとするのである。
たしかに、「終わらない10分間」ではあっても、監督•選手らのパターンは変わるし、ストーリーも動く。
だが、12回裏、花岡(息子)が三振で試合にケリが付く等々、基本のパターンは変化無し なのだ。
決まったパターンを、ストーリーの展開に合わせて織り込ませていった技法は、やはり革新性がある。
「SF」からの、複雑なドラマは見応え充分だった。
ただ、チームメイトが、俳優に金をつぎ込んだ妻に激昂しないシーンは、違和感の塊である。
人間の性分を、全く分かっていない演出だ。
「加工バッド」を巡る、一種のサイドストーリーも そうだった。
試合中、花岡(息子)に勧めてきて、大学時代の不正使用を 周囲に囁いたチームメイトが、それにより球場中に周知されてしまった後、彼を慰めるの どういった神経なのか。
少なくとも、「勧めた」ことに関係させ、チームメイトを 掘り下げる べきだったのではないか。そこが触れられず、花岡親子の対立やチームメイトの夫婦関係修復の方向へ展開していった位置付けは 不自然そのものだ。
“消極性の一体感”などと表現するべきか、舞台と客席の融合である。
幻想の世界が少し、残ったのはリアリスティックな球場のベンチがほとんどを 占める。
今、ここでしか、見ることのできない、LIVEだ。
私たちは、球場にいる。
劇場を後にした時、不気味な気分になる人もいれば、充実した感覚を持つ人もいるだろう。
この作品は、一対一の 相撲の取り組みである。観客は何もしないが、役者も ツッパリをせず ちがう方向を向く。
お互い掴まぬのに、一対一とは。
動かないのに、相撲とは。
こんは取り組みが あり得るのは、何故だろう。
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2013/07/16 00:09
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