満足度★★
退屈を作る才能「班女」は客入れから舞台上に4人の俳優が存在している。ト書きが語られることによって役の身体が覚醒する、そんなイメージの幕開き。花子を二人の女優が演じるのは、狂気をあらわすためか。台詞は全体に単調に進むが、実子役の女優が単調な中でも一種独特の集中力を持っていて空間を支配している。この演出家は退屈の作り方がうまい。静かで単調なシーンの連続は退屈するが、ときにその退屈のなかに別の色彩が差し込む。そのとき劇は息を吹き返す。ただ、照明がぼんやりとしていて美しくなかった。「弱法師」については言うべきことなし。俊徳役に気品がない。
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2013/06/30 19:20
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